自己破産したもん勝ち!非難された罪悪感をゼロにする別の借金解決方法

「自己破産はしたもん勝ちだからずるい」と非難する人がいますが、そんなことはありません。そう言う人の多くが、「自分でした借金のくせに」とか「借りたお金を返さずにすませるなんて人として終わってる」とか言うかもしれませんが、自己破産は法的に認められた手続きです。
くわえて、借金はゼロになりますが手続きをした人にはそれなりの代償があります。そうは言っても、自己破産をするのが後ろめたいと感じる人もいるでしょう。
この記事では上記2点に加えて、自己破産をする罪悪感から逃れたいという人におすすめしたい他の借金解決方法も解説します。
自己破産はしたもん勝ちといわれる理由
国が発表しているデータによると、2021年(令和3年)には自己破産件数は68,240件となりました。2003年をピークに大幅な増加はありませんが、借金をした人が法的にできる最終手段が自己破産だといえるので、自己破産をする人は増減してもゼロになることはなさそうです。※多重債務者対策をめぐる現状及び施策の動向(PDF)
そんな中で、自己破産をずるいと感じる人の多くは、自己破産が法的に認められた手続きだということや自己破産にはデメリットがあることをほぼ知りません。
自己破産のデメリット
- 一定額以上の現金を没収される
- 一定額以上の価値がある財産を没収される
- 数か月は特定の職業に就くことができない
一方で、知られていないメリットもあります。自己破産は法的に認められているので自己破産をした人の社会的な立場を守ってくれます。対して、借金を踏み倒そうとする人の場合には、しつこい取り立てが続いたり訴訟問題に発展したりします。
借金を返さないことは同じなのに、自己破産をした人が「その後の苦しみから解放される」ことをずるいと感じる人は多いと言えます。
また、自己破産は借金の金額に関わらずできるので、高額な借金を抱えた人が自己破産をすると、その理由によってはさらにずるい手続きだと思われてしまうのかもしれません。
自己破産のメリット
- ほぼ全ての借金は支払わなくてよくなる
- 法的に認められた手続きである
- 自己破産後の財産は自分で管理できる
自己破産はしたもん勝ちとはいえない理由
浪費やギャンブルで自己破産をするという人がいます。浪費やギャンブルは原則として自己破産の対象外ですが、裁判官に認められれば借金をなくすことができます。
自己破産は自己破産法という法律にのっとり裁判官が判断を下し、浪費・ギャンブルによる自己破産も1回目は認められることが多いです。
ただし、裁判所は自己破産をする人がなぜ借金をしてしまったのかといった経緯や借金の内容を徹底的に調査します。嘘の申告や説明をした場合には自己破産法によって厳しい処罰がありますので注意すべきでしょう。
債務者が、破産手続開始の申立て(債務者以外の者がしたものを除く。)又は免責許可の申立てについての審尋において、裁判所が説明を求めた事項について説明を拒み、又は虚偽の説明をしたときは、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
審尋における説明拒絶等の罪(自己破産法271条)
自己破産をした人の原因や理由を国がまとめたデータがあります。一番の理由は「生活苦・低所得」で、仕事ができなかったり給料が少なかったりして生活に困った人が借金をしているケースが多いです。※多重債務者対策をめぐる現状及び施策の動向(PDF)
自己破産をする人の借金は、したくてしたわけではない・やむをえずした借金であることがほとんどだと言えます。周囲には非難する人もいるかもしれませんが、生活に本当に困窮しているなら自分の生活を守るために自己破産を検討した方がいいでしょう。
自己破産後の生活のシュミレーション
どれくらいで貯金ができる?であったりどれくらいで自由に物が買える?といった自己破産後の生活に不安を感じる人もいるでしょう。
自己破産をすることで日常生活にはいくらかの影響があります。
一定額以上の現金を没収される
自己破産をすると現金がすべて没収されると思っている人がいますが、そうではありません。99万円を超えない現金は没収されることなく手元に残るので、自己破産後も最低限度の生活は送ることができます。
少しでも多く現金を手元に残したいと、複数の口座に99万円以下の預金をいれておこうと考えるかもしれませんが、すべての口座と手持ちの現金の合計が99万円以下でなければ没収されます。
場合によっては意図して嘘の申請をおこなったとして免責が不許可になり自己破産できないことすらあるので、絶対にやってはいけません。
一定額以上の価値がある財産を没収される
自己破産をすると家・車をはじめすべての財産が没収されると思っている人がいますが、そうではありません。資産価値が20万円以下の財産は没収されることなく手元に残ります。
買った当時は20万円以上の価値があったものでも、現在の価値を査定して判断されるので、日常生活に必要な家具・家電はほぼ手元に残りそこまで生活に不便を感じることはないはずです。
数か月は特定の職業に就くことができない
自己破産をすると仕事に就けなくなると思っている人がいますが、そんなことはありません。
就けない職業もありますが、数か月~1年程度で元の仕事に戻ることができます。自己破産中に就けない仕事は生命保険募集人、損害保険代理店、警備員、建設業者、後見人などです。
一定期間だとしても収入源がなくなるのは大変な問題なので、自己破産をする前に自分の仕事が対象なのか、自己破産の手続き期間はどれくらいかを事前に確認しましょう。
上記以外にもある生活への影響
自己破産をするとブラックリストに載るので、信用情報機関に情報を確認されるような手続きはできなくなります。
今使っているクレジットカードは使えなくなりますし、新しいクレジットカードの発行や、住宅や自動車ローンを組むこともできません。しかし、ブラックリストに載る期間は5年~10年程度なので一定期間を過ぎればまたできるようになります。
ほかにも自己破産をすると借金の連帯保証人・保証人に連絡がいき保証人の生活に迷惑をかけたり、これまで秘密にしていた借金が家族や同居人にバレるということも考えられます。
あなたが自己破産をすることで、連帯保証人・保証人がその借金の支払い義務を負います。
自己破産に罪悪感があるなら検討すべき解決方法
借金をする理由は人によって違いますが、自己破産をする人のほとんどは借金をなくせる手続きだから自己破産を選択します。
借金をゼロにすることに罪悪感があったり、何かしらの理由で自己破産ができない人には別の債務整理方法である任意整理や個人再生がオススメです。
任意整理・個人再生は借金を減らすことはできますが、自己破産のように全ての返済が免除されるわけではありません。
しかし、もし本当に苦しい生活をしているが周囲に非難されるので自己破産を避けたいという人がいたら、専門家である弁護士・司法書士に相談しましょう。相談だけなら無料としている法律事務所が多く、あなたにあった借金の解決方法を客観的にアドバイスしてくれるはずです。
借金を5分の1に減らせる個人再生
個人再生は借金を最大5分の1にまで圧縮することができます。
例えば、500万円の借金がある人は100万円に借金を圧縮して3年~5年で返済する計画を立てることができます。個人再生は自己破産とちがって、住宅や車を残すことも可能です(※条件あり)。
財産を残せる任意整理
任意整理は自己破産や個人再生のように借金から逃れたり、大幅に減額することはできません。しかし、3年~5年で返済し終える計画を立て、これから支払う利息がカットできるので借金を減らすことができます。
自己破産や個人再生と同じくブラックリストに載ってしまいますが、財産を没収されることはありません。
任意整理について検討したい人はこちらもご確認ください
個人生成について検討したい人はこちらもご確認ください。
「自己破産はしたもん勝ち」と言われて悩んでいる人によくある質問
- 自己破産はしたもん勝ちといわれる理由は何でしょうか?
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自己破産はしたもん勝ちといわれる理由は、自己破産をしない人は借金に苦しみ続けるのに、自己破産をすると借金を一括で免除される・再出発のチャンスがあることなどです。「自己破産はしたもん勝ちといわれる理由」で実態を詳しく説明していますのでご確認ください。
- 自己破産に罪悪感があるなら検討すべき解決方法は何でしょうか?
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自己破産に罪悪感があるなら個人再生や任意整理を検討すべき解です。これらの方法は自己破産のように借金が全額免除されません。あなたがお金を借りた債権者と合意のもとに借金を減らしながら返済することができます。もっと詳しく知りたい人は「自己破産に罪悪感があるなら検討すべき解決方法」でご確認ください。