過払い金請求の仕方と怪しい無料診断の注意すべき落とし穴

テレビやラジオCMで耳にすることが増えた過払い金ですが、その実態を知る人はまだ少ないと言われています。
過払い金は払い過ぎた利息なので、有効期限内に請求すれば取り戻すことができます。しかし、怪しいと思って手続きをしなかった結果、時効になってしまい100万円ほど過払い金を取り戻せなかったという事例があります。
この記事では時事ニュースを絡めて、過払い金請求の仕方について解説していきます。注意すべき落とし穴も紹介するので、過払い金を怪しいと思うあなたの疑惑が払拭されるはずです。
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動画の概要
京都市が関西電力に約1億円の電気料金を過払いしていたことが2023年3月14日に判明しました。
この過払い金は、京都市が関西電力に対して2012年7月から2022年12月にかけて市の街灯のLED化に伴い電気の使用量が減少したため料金区分の変更を申請していたにも関わらず受理されていなかったことが原因です。高い料金を支払っていたケースは1万555件にも上ると言います。
関西電力は、多額の過払いに長期間気づかなかったことを深く反省し再発防止策につとめるとし、合意ができた1億800万円については今後返金される見込みとのことです。
払い過ぎた利息である過払い金とは
過払い金とは、払い過ぎたお金のことです。京都市は払い過ぎたお金を関西電力に請求することで今回1億800万円を取り戻せることになりました。
過払い金とは、法律で決められた金利よりも高い金利で貸し付けをしていた貸金業者に対して、わたし達借主が取り戻せる払い過ぎたお金のことでもあります。
消費者金融やカードローン会社からお金を借りたことがある人は、過払い金という払い過ぎた利息を取り戻せる可能性があります。
過払い金が発生する条件は以下の通りです。
過払い金が発生する条件
- 2010年6月以前にお金を借りている
- 過払い金の時効が過ぎていない
- 消費者金融・クレジットカード会社に払い過ぎた利息がある
2010年6月以前にお金を借りている
過払い金とは、2010年6月より前に借りたお金で払い過ぎていた利息のことです。
2006年に利息制限法(上限を超えた金利は無効とするという法律)の改正が決定し、2007年にはアコムやプロミスといったよく知られる消費者金融・クレジットカード会社は金利を改訂しました。
2010年6月に利息制限法が施行されると、ギリギリまで高金利で貸付していた会社もいよいよ金利を下げることになりました。
そのため、消費者金融によって年数にちがいはありますが、2010年6月以前にお金を借りたことのある人は過払い金を手に入れられる可能性があります。
利息制限法(上限を超えた金利は無効化する)が施行されるステップ
利息制限法の改正が決定
アコム・プロミスといった消費者金融・クレジットカード会社が金利改定
利息制限法の施行が決定
高金利で貸し付けをしていた会社も金利を下げる
消費者金融・クレジットカード会社に払い過ぎた利息がある
お金を借りていた消費者金融・クレジットカード会社が、利息を取り過ぎていなければ過払い金は発生しません。
しかし、2010年6月までに高金利でお金を貸していなかった業者は、年数の違いはあるかもしれませんがほぼいないと言っていいでしょう。
2010年までにあなたが何かしらの借り入れをしているのなら、過払い金請求の対象になると考えて手続きを進めるべきです。
過払い金の時効が過ぎていない
過払い金には時効があります。借金の最終取引日から10年経つと過払い金は取り戻すことがむずかしくなります。
最終取引日とは?
借金を完済している人は完済した日、まだ完済していない人は最後に返済をした日もしくはお金を最後に借りた日が最終取引日になります。
過払い金の取り戻し方と無料診断の落とし穴
過払い金請求は、個人でおこなうのは大変な手続きです。一番大変なのは過払い金の計算を自分でしなくてはいけないことです。
インターネットやエクセルの無料ソフトで過払い金の計算はできますが、知識があまりない人がやると間違ってしまう可能性が高いです。
過払い金を請求する前にそもそも自分に過払い金が発生しているか知りたいですよね。そんな人は無料診断を利用して、事前に過払い金の有り無しを知るのがおすすめです。
ここが落とし穴!
過払い金の計算は自分でやるのはむずかしいので、計算不備で取り戻し金額0円ということにならないように、専門家にお任せしましょう。
過払い金無料診断の落とし穴
過払い金無料診断はインターネット上のツールを使っておこなうことができます。多くは信用のある法律事務所によって運営されていることがほとんどです。しかし、中には悪徳業者が運営していることがあります。
運営元を確認しないと騙される
過払い金の無料診断を利用するときは運営元を必ず確認しましょう。運営元が悪徳業者だった場合には無料診断に見せかけて別の会員登録をさせて個人情報を抜き取られたという被害が発生しています。
身勝手な事務所で不利益がおこる
きちんとした法律事務所で過払い金の無料診断をしても、無料診断だけでなく契約まで訳もわからぬまま進んでしまったということがおこります。
強引に契約を進めてきたり、金額を断定して進めたりする法律事務所で手続きを進めるのは危険です。
過払い金の無料診断はあくまで概算なので、必要な書類(取引履歴)を取り寄せて計算するまでは取り戻せる金額は断定できません。
過払い金の時効で損をする
過払い金の無料診断では、いくら発生するか正確な金額はわかりませんが過払い金があるか・ないかは最低限の情報でわかります。
過払い金には最終取引日から10年経つと取り戻せなくなるという時効があります。無料診断先が信頼できると判断できたときには、過払い金が発生してるかどうかまずは無料診断を診断してみるべきです。
ここが落とし穴!
運営元が悪徳業者だとしたらするべきではありません。法律事務所が運営元だとしても強引に手続きを進めてくるときには要注意です。いつの間にか手続きが始まって、クレジットカードが使えなくなってしまったということがあります、
過払い金の無料診断でよくある質問
- 過払い金請求には無料診断があると聞きました。注意すべき点は何ですか?
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過払い金請求には無料診断がありますが、運営元を確認しないと騙される可能性があります。運営元あがしっかりしした法律事務所だとしても身勝手な事務所を選ぶと不利益が生じたるので注意が必要です。注意すべき点と回避方法は「過払い金無料診断の落とし穴」をご確認ください。
- 過払い金が発生する条件は何ですか?
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過払い金が発生する条件は、2010年6月以前にお金を借りており、利息制限法が改正中に金利を取り過ぎていた消費者金融・クレジットカード会社に払い過ぎた利息があることです。発生条件をより知りたい人は「過払い金が発生する条件」で詳しく解説しています。